古くは、漁村として、栄えた南熱海。今では時代の流れで、高級別荘が立並ぶ関東圏でも随一のリゾート地に変わった。毎年お盆に開催される、古くからの伝統行事である「伊豆多賀百八体流灯祭」は、その当時の名残。約３キロに渡る多賀湾沿いに270基のかがり火がいっせいに点火されると同時に燃え盛る炎。約300の灯籠が海辺から流され、波間に揺らめく様は幻想的。網代港は伊豆東海岸随一の天然の良港で、「京大阪に江戸網代」と言われ、諸国の廻船でにぎわっていた。江戸に幕府がおかれると物資は江戸を中心に運ばれるようになり、南は九州・四国・大阪・堺・名古屋方面からも千石船のような大型帆船、中型の帆船の廻船、小型の押送船が網代港に入港したとの事。港の商人、船宿も多く、網代港は江戸時代より活気に満ちていたと言う。