街の空気が生き生きとしているように感じられる。新旧の文化がひしめき合う粋な美学が清水の土壌を育んできた。遥か昔より港町として名を馳せてきたこの街は世界中から人が集まり、古いものを守りつつ新しい価値を発信していく場所であり、伝統的なもの、考え方と新しいものとが交差してきた。そこには、現状に満足することなく時代と共に着実に進化し、イノベーションを起こし続けるという歴史と文化が脈々と息づいている。

清水港の歴史は、古く飛鳥時代の約1,400年前まで遡り、当時百済への救援船がここから出港したとの記録が残っている。戦国時代から江戸時代には、軍事上の要地として、また、海陸の交易地として幕府から重用されてきた。清水港の近代港湾としての幕開けは、明治32年8月4日の開港場指定から始まったという。開港120周年を迎えた清水港は、これから更なる飛躍を遂げるに違いない。