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nakazetei
花とロマンの里「松崎町」。
静岡県は伊豆半島の西南部に位置し、古くから伊豆西海岸の中心として栄えてきた港町。
松崎町には、令和になった現在でも手付かずの自然が残る。
ここは紛れもなく秘境といえる場所。
明治時代の商家である中瀬邸。
現在、この街の観光名所である中瀬邸は明治20年に呉服問屋として財を成した豪商・依田直吉の邸宅(依田直吉呉服店)として建てられたとのこと。依田直吉呉服店の屋号が「中瀬」だったため、現在では中瀬邸と呼ばれている。
松崎といえば「なまこ壁」。平瓦を壁に貼り付け、目地を漆喰で海の生き物「なまこ」のように盛り上げるスタイルからその名称が付いたという。
松崎のナマコ壁で忘れてはならないものに、「入江長八」がいる。松崎生まれの左官職人入江長八は、江戸へ出て狩野派の喜多武清に絵を学び、左官業に応用し、漆喰でもって絵を描き華麗な色彩を施して、長八独特の芸術を完成させた。いわゆる漆喰による鏝絵芸術。
ここではタイムスリップしたかの様な錯覚を覚える。
この黒い「なまこ壁」が一番ヤバイ。
惜しくも令和3年3月に閉館してしまったが、これからも松崎の誇りとして語り継がれていく。
yamamoto kuma